23才の僕へ
23才の僕、今の僕は元気ですよ。今はもう35才になりました。結婚もしました。誰と結婚したかって?あなたの期待したとおりかもしれないけど、日本人と結婚しましたよ。子供も二人いますよ。5才の長男と2才の長女で、バガスとエリカという名前をつけました。そういう名前は妻のアイディアなんですけどいい名前じゃないですか。
この手紙は、あなたに聞きたいというより、今、僕の状態をあなたに知ってもらいたいという気持ちで書きました。
あなたが元気でいてよかったです。日本で生活をするのは大変なことでしょうが、あなたなら、どんな困難でものりこえられると思います。あなたが苦労したり、失敗したりしたからこそ、今の僕がいるんですからね。あなたが頑張った新聞配達のアルバイトから、僕は時間を整理するなどのことを学びました。ですから、あなたはどんなことにも、勇気を持ってやってみてください。結果は失敗しても諦めないで頑張ってください。あなたが怠まけ者ということは誰よりも僕が知っていますからね。
ではここからは今僕がどうしているかを話したいと思います。さっきも書いたとおり、僕はもう結婚しました。運がいいことに、妻は僕が信じている宗教を受け入れてくれました。最初は慣れない文化や習慣に彼女はとてもとまどっていたけど、時間が経つにつれ、バリでの生活になれてきました。バリ語も僕より上手ですよ。バリ人として僕はちょっと恥ずかしいです。
両親は年を取ったけど、とても元気で幸せです。僕が日本人と結婚して、孫もできたからね。父は毎日5才の長男と遊んでくれます。幼稚園への送り迎えもしてくれます。夕方になったら、近くにある公園へ遊びに出かけます。両親も満足してくれていると思います。
ところで僕たちの目標はもう達成しましたよ。今、自分のお店を経営して、人も何人か雇っています。これもあなたが苦労してくれたおかげです。あなたのアドバイスのとおり、近所の人たちともうまく付き合っていますよ。
今はもうあまりゲームもやっていないし、十分な睡眠も取っていますよ。手紙を書いて送ってくれた23才のあなたにありがとうと言いたいです。僕も10年後の自分のために、もっと頑張り続けたいです。
35才の僕より、