「すみません」の意味
日本語には美しい言葉がたくさんありますが、「すみません」は私の大好きな日本語一つです。日本に来た初日から、「すみません」という言葉に私は深い印象を受けました。
私は日本に来た日のことを忘れられません。空港についた瞬間から、私はわくわくして、まわりの風景に気を取られてしまい、前の人の足を踏んでしまいました。日本語をうまく話せなかったので、どう謝ればいいのか戸惑っているうちに、相手から「すみません」と言われました。それを聞いてびっくりしました。私の方が悪いのに、どうして謝られたのでか不思議でたまりませんでした。逆の立場だったら、私はきっと謝っていなかったはずです。
ベトナム人は悪くなければ謝る必要がないと考えます。それで私は「なぜかな」とずっと考えていました。当時の私はその言葉の意味を理解できなかったのです。その後、日本で一年半暮らしているうちに、ようやくその答えが見つかりました。
日本人は自分が悪くないのに、相手に「すみません」と言います。「すみません」という言葉に、相手の気配りと思いやりが含まれているのだと分かりました。
ある休みの日、天神に出かけるためにバスに乗りました。バスは人がいっぱいで込んでいました。私は前に立っているおばあさんに足を踏まれてしまいました。私は思わずそのおばあさんに「すみませんと」言いました。その時、私はようやく空港で「すみません」と言われたことが理解できました。人に足を踏まれたとしても、まったく自分が悪くないとは限りません。足をそこに置いていなかったら、踏まれていなかったかもしれません。相手の立場に立って物事を考えてみることと相手のことを許す気持ちは我々の日々の生活を楽しくさせる大切なポイントです。
今、日本の生活にも日本の文化にも慣れてきました。日本語も話せるようになりました。「すみません」という言葉はよく耳にします。「すみません」のいろんな意味を理解して気付いたら私も日本人みたいに素直に謝ることができるようになっていました。
日本人が寛容で人を許す気持ちを持っているのも分かりました。私が「すみません」という言葉が大好きになったのはその言葉に思いやりと優しさがたくさん入っているからです。
私は今、日本語の勉強だけではなく、日本の優れた文化と日本人の優しさを身に付けたいと思うようになりました。ベトナムに帰って日本人の優しい気持ちをベトナム人にも伝えたいです。日本とベトナムの友好関係と交流の架け橋になりたいと思います。