卒業生の作文

日本のイメージ

 来日するまでは「日本人ってとても忙しそう。日本人のスピードについていけるかなあ」と言う不安を抱いていました。なぜかと言うと、ベトナムで見たテレビでは、日本人が人混みの中をせかせかと歩いている様子が映し出されていたからです。
 しかし、伊丹市に来てみて、日本にこんな静かな町があることに驚きました。しかも、この町の人はいつものんびりしていて、私が考えていた日本のイメージとは大いに違っていました。多分私が見ていたのは東京か大阪の町だったのでしょう。
 このほかにも私が抱いていた日本のイメージと違っていたことはテストについてです。ベトナムではテストが多く、宿題も三時間ぐらいかかってしまうほどの量が出されていました。ベトナムで読んだ日本の漫画には、日本の学校ではテストがあまりないと書いてあったので、「日本へ行ったら、テストから解放される。」と内心期待していました。しかし、実際に来てみると受験生であるせいかもしれませんが、テストが多くてびっくりしてしまいました。
 また逆に、日本人がベトナム人について抱いているイメージに大変驚かされました。私が少し日本語が話せるようになると、みんなが私に「ベトナムに電車あるん?」とか「チュオン君は遊園地に行ったことがあるん?」というような質問をしてきました。私はその度に「当たり前よ」と怒って言いました。まだ日本人がベトナムは非常に貧しい国だというイメージを抱いていることが分かり、悲しくなりました。
 確かに一部ではまだまだ開発されていない所もありますが、全体的には毎日著しく発展しています。サイゴン、ダナンは言うまでもなく、中小都市の人々は日本の人々とあまり変わらない生活をしています。これらは、お互いがそれぞれの一面だけを見て、それがその国のすべてであるように思い込んでいた誤解から始まったものです。
 しかし、私のイメージ通りのこともありました。それは日本人はとても礼儀正しいということです。日本に来て、あらゆるところで人々がお辞儀をしている姿を目にしました。電話にまでお辞儀をしています。さらに、日本人は自分に非がない場合にもよく謝ります。
 たとえば、バレーボールをしていて、相手がとれなかった場合でも、打った方が手を合わせて「ごめんね」と謝る姿はとても理解できませんでした。でも「ごめんね」は英語の「I’m SORRY」であるばかりでなく「EXCUSEME」という意味でもあることが分かり、やっと納得しました。「ごめんね」は人間関係の潤滑油になるすばらしい言葉だと思います。
 私は日本に来て日本のイメージが変わりました。これからは私も日本人と話す機会をたくさん持ってベトナムについての日本人のイメージをよくしていきたいと思います。

お問い合わせ

お問い合わせは、
お電話・メールにてどうぞ!

〒658-0053 兵庫県神戸市東灘区住吉宮町2丁目21-8
休日/日曜日・祝日・年末年始
TEL/078-822-6620 FAX/078-822-6621

【Address】
2-21-8 Sumiyoshi Miyamachi, Higashinada-ku, Kobe-shi, Hyogo, 658-0053, Japan
【Holidays】
Sundays, national holidays, end of the year and New Year holidays

TEL

MAIL