2年間の日本の生活
私は2017年3月20日に朝日新聞の奨学生として来日しました。これから新しい国で新しい生活が始まると思うとうれしくなりました。それと同時に不安な気持ちもいっぱいになりました。
日本へ来たばかりなのに、バイクの運転免許の試験を受けなければなりませんでした。そのとき、日本語はあまり上手ではありませんでした。「みんなの日本語」の25課までしか勉強していませんでした。試験の問題は漢字がたくさん出ているので、2年前の私は本当に困りました。4回受験して、ようやく合格しました。これでやっと新聞の店で新しい仕事を始めることができると思ってほっとしました。
職場で一番良かったことはやさしい男の先輩に会ったことです。その先輩は熱心にいろいろなことを教えてくれました。新聞の配り方から、どこで一番安いものを買えるかまで自分の経験を伝えてくれました。だんだん仲がよくなって今ではまるで友人のようです。
日本へ来て最初の2、3ヶ月は家族を思い出して早く1日が終らないかなぁとばかり考えていました。今も早く2年が経って、ベトナムに帰り、家族に会いたいとずっと思っています。
日本へ来る前に、母に「日本での生活は甘くないよ」と言われました。日本へ来てはじめて、母の言ったことが分かってきました。日本での生活は日々仕事と勉強が非常に忙しくて寝る時間がないので、いつも寝不足です。仕事では毎日バイクに乗ります。バイクに乗りながら夜景を眺めるとき、この仕事をやっていてよかったと思います。でも、ときどき、急に変な音がしてびっくりすることがあります。よく見たら、ただネコが走っているだけだったりします。そんなときは怖いものはないと自分に言い聞かせます。またある時は角を曲がると遠くで何かが動いているようでした。バイクのライトで照らしてみると犬を散歩させている人でした。そんなことにびっくりした自分がおかしいなと思いました。
職場の店長はやさしいです。先輩が教えてくれたにもかかわらず、1人で新聞を配ったとき不配になってしまいました。お客様が店長に電話をかけて文句を言いましたが、店長は私にぜんぜん怒りませんでした。その逆で新人の私の心が読めるようで、地図を開いて「この家は昨日新聞が入ってなかったから、気をつけてね」とやさしく教えてくれました。他の店ではばっきんを払わされたり、お客様の家まで謝りに連れて行かれることもあるそうです。
今はまだ日本に住んでいます。この生活になれましたから、満足しています。これからもっと頑張ってお金持ちになったら、5階建ての別荘を建てて、日本で家族といっしょに住みたいです。それまで、もう少し日本で頑張ろうと思います。