お金持ちのお父さん
皆さんにとって一番のお金持ちの人は誰ですか。私にとってそれは父です。今まで父になんでも買ってもらって、自分が欲しいものをすぐに手に入れることができたから、それをすごく簡単なことだと思っていました。今、大人になって初めて私は、それが父にとってどれだけ大変だったのか理解できるようになりました。 子供の頃、父は厳しく、いつも私に「もっとしっかりしなさい」と言いました。私はまだ子供なのにどうしてそんなに厳しくするのだろうと思っていました。でも、それは私の成長のためだったと今なら分かります。父にそうしてもらっていなければ、今ここにいなかったと思います。 一般的に子供は父親に比べて母親との結びつきが強いと言われますが、私は父により強い絆を感じていました。悩みがある時には友達のように相談してきました。 子供のことを思い出すと、父は自分のことにほとんどお金を使いませんでした。何年も同じ服を着ていました。私が、「これはもう着られないからお父さん、新しい服を買った方がいいよ」と言っても、「それは必要ないよ。お金の無駄だ」と言って、自分の格好を気にせずにその古びている服を着ていました。 一緒に出かける時、私はいつもおしゃれしていたのに、父はそんな格好だったからか、一緒に行くのが恥ずかしかったです。でも今は「父がそんな格好だからこそ、私がおしゃれできたのだ」ということがわかりました。 父の優しさに気づかずし私は今まで育てられてきました。そして私は今、父を誇りに思います。どんな格好でも関係ありません。 帰省を終えて、見送りにきてくれる時は、もう家で沢山お金をもらっているのに、別れるときにもまた、細かいお金を渡してくれます。私にとってのお金はどんな大金よりも大切です。なぜなら、それには父の愛情が沢山つまっていますから。 父は私が日本での留学を深めた時、借金して学費を全部払ってくれましたし、そのために今までの貯金もなくなってしまいました。 私は学費を半分だけもらって、日本でイルバイトして残りを払うと言いましたが、それはだめだと言われました。「これはあなたのために貯金していたのだよ。もしあなたの役に立てなかったかこれはただの紙だ。私がお金を持っていても仕方ない。インドにいるならいいけど、日本は海外だから、お金げないと困るし、すぐにはアルバイトもできないよ。私達はここで苦労しても過ごせるけどあなたは楽に過ごして」と言われました。顔には出しませんが、私の成功を一番よろこんでくれるのは父です。 父記は家の大黒柱だと言われますが、私は父のことを家の土台だと思います。土台がないと家が建てられないからです。インドでは父親は神様とイメージが重なり合う」と言われていますが、その表現が今分かるようになりました。 私の父を言い表すとすると、「ポケットが空っぽでも、欲しいと言ったら断らない」それが私の父です。これまでの私の人生で父ほどお金持ちの人を見たことがありません。