私にとっての「笑」について
文字の中で私が一番好きになった字は「笑」です。一字で幸福に満ちていることを表せると思います。そう思ったきっかけはベトナムにいたときに見た夢です。
ある日の夜夢の中で一人の乞食の男の人に会いました。その人の生活は貧しそうでした。みすぼらしくて、服も破れていました。そういう人を見るとかわいそうだと思うかもしれません。でも、その人はあまりつらそうな顔をしていませんでした。私はその人のところへ行って、あいさつをしました。すると、その人は楽しそうな声で「おはよう」と返事をしてくれました。私はちょっとびっくりして質問をしました。「どうして、暮らしが大変なのに楽しそうなのですか」。でもその人は答えません。逆に私にこんな質問をしました。「人生楽しくなくてどうするんだ」。私は答えられませんでした。そこでお母さんに起こされたので、その夢は途中で終ってしまいました。私は頭の中でずっとその質問の答えを考えていました。ではこまった時にどうすればいいのでしょうか。
人によって考え方が違います。困った時に泣いてしまう人もいるかもしれません。でもちょっと深く考えてみると、楽しく生きたほうがいいということがわかります。たとえ、心配なことがあっても、しばらくすると心配なことはなくなってしまうでしょう。どんなにひどい状態でも笑顔で楽観的な気持ちでいればもとのとおりになるのではないでしょうか。ときどき心配しすぎて何にもできなくなってしまう人がいるかもしれません。そんなときはいちど休んでから取りかかったほうがいいです。休めば笑顔がもどってくるでしょう。いつも笑っていたら心配なこともだんだんなくなって、問題が解決するでしょう。
そう思うと、私にとって笑うことはたんに笑うということではなく薬のようなはたらきをするものだと思います。
笑っていれば、どんなことでも乗り越えられます。「笑う門には福来たる」